選手7人で準優勝の広神中、「次はてっぺんを!」 BSN杯新潟県U14新人バスケットボール大会

バスケットボール 2021/02/26
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text : inoue kazuo
井上 和男

 2月23日、新潟市西総合スポーツセンターで行われた中学年代のバスケットボールの新人戦、第35回BSN杯新潟県U14新人大会決勝は、男子・白新中学校が初、女子・新潟清心中学校(共に新潟市)が5年ぶり2回目の優勝を果たした。(男女トーナメント結果は最後尾に掲載)
 各地区予選を勝ち抜いた中学校、クラブの男女それぞれ16チームが県大会に臨んだ中で、男子の広神中学校(魚沼市)は7人の選手で戦い準優勝に輝いた。

 なお、この大会の模様はネットでライブ配信され、2021年3月31日までアーカイブで全32試合を視聴できる(有料・通期700円税別)。※決勝のみ、男子は2月27日(土)26:58から、女子は同28日(日)25:55からの配信開始。
 詳しくはHOISPOLIVE ホイスポライブ。
https://hoispolive.jp/
 
 
ミニバスからのチームメイト。意思の疎通は十分
 
 2月23日、準決勝を勝った広神中のチームに歓喜のハイタッチの輪ができた。背番号4の主将・小林獅澄(2年)の頬に涙が伝う。「こんなどうしようもないキャプテンに付いてきてくれて……」。涙が止まらなくなった。
 準決勝の相手、新潟柳都中学校(新潟市)は2019年の全中(全国中学校総合体育大会)でベスト16、この新人大会も昨年度まで2連覇していた。昨年の1回戦で敗れていた(69-57)相手だった。そんな強豪に初めて勝つだけでなく、県大会決勝まで進んだのもチーム史上初の出来事だった。
 

準決勝の新潟柳都中戦。第2Qから目覚めた主将の小林。身長163㎝と小柄だが、バネの効いたステップワークで切り込む


 
 第1Q、9-25と大きくリードされた。「まずはディファンスからリズムを作ろう」。第2Qに向けて藤原浩監督は大舞台に緊張していた選手たちを落ち着かせた。ルーズボールに対する出足で優り、高さのある相手にもリバウンドで競り勝てるようになった。
 持ち味の速いパス回しが戻り、「目覚めて彼らしいプレーをしてくれた」と、小林がドライブから次々と点を決めた。前半を終えて32-36。その勢いのまま第3Qで逆転した。
 
 男子バスケ部の今大会登録メンバーは2年生6人、1年生2人の計8人だが、1年生1人が帯同せず実際のベンチ入りは7人。ほとんどの試合を2年生6人で戦った。1年生からレギュラーの選手が多く、6人のうち5人が地元のミニバスチーム・広神99ersから一緒で、意思の疎通、チームワーク、実戦経験は十分だった。
 

小林と共にチームの得点源の佐藤洸空(2年)。大事な場面で3点シュート、ミドルレンジのシュートを決めて決勝進出の原動力となった


 
 
子どもたちのバスケ愛を閉ざさないためにクラブを立ち上げ
 
 少子化の影響でチーム編成に苦慮する運動部が年々増えている。広神中のある魚沼地域も例外なく、広神中は1学年2クラス。男子バスケ部でも隔年で部員数に変化があるという。
 藤原監督は魚沼市バスケットボール協会の理事長で、魚沼市役所に勤める傍ら広神中バスケ部を指導して9年目になる。藤原監督の指導の下、2014年には県中学総体で3位になって北信越大会に出場。広神中から帝京長岡高校に進んで活躍する選手も現れている。
 
 今春4月から広神中バスケ部のメンバーでクラブ組織を立ち上げる。だからといって選手集めのためのクラブ化ではない。
 少子化、指導者の異動(交代)…学校の部活動には様々なハードルがある。一貫した指導を継続して行えるクラブであれば、「個」のスキルアップが図れる。また、誰でもプレーする機会を得られる。
 
 「バスケを続けたい子が進学する中学校に部がない場合、クラブがあればバスケを諦めることがないでしょう」。クラブ化の目的はここにある。
 
 クラブ名は『WHITE PHOENIX』。WHITEは、白星を重ねること、魚沼の雪をイメージして、PHOENIXは親交のある帝京長岡高の愛称PHOENIXから「許可を頂き」(藤原監督)名付けられた。今大会では一足早くそのユニホームをまとって戦い、結果を出した。
 

広神中の藤原監督(中央)。勤務終了後に練習に駆け付けるが、冬は週1回の夜錬だけ、夏でも平日は20~30分ほどしか立ち会えない。それでも「この年代の子らには少しでも顔を合わせることが大切」と情熱を傾ける


 

平日の練習は部活顧問の宮野りさ教諭(中央)が見る。赴任2年目、2年生の全部員の担任を務めた。「元気のあるいい子たちばかりです」


 
 白新中との決勝は時間を空けて同日に行われた。第1Qこそ互角の展開も徐々に引き離され44-69で敗れた。昨秋に練習試合を行い敗れていた相手。その時は小林主将と藤原監督が所用で不在だった。県内2強とされる白新中、新潟柳都中と真剣勝負ができ、チームの課題を知り、自信を得たと藤原監督は語る。
 
「白新中とは個々のスキルの差。足りないところを自覚できた。ミスしたところを改め、夏までに修正したい。てっぺんを取りに行きます」
県大会優勝という目標を力強く掲げた。春には5~6人の新1年生がチームに加わる予定だ。
 

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