新潟県高校夏季野球大会決勝          中越、19安打の猛攻で日本文理を圧倒

高校総体 2020/08/06
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text : saito shinichiro
斎藤慎一郎

 
 新潟県高校夏季野球大会の決勝は中越高校が9-3で日本文理高校を破って優勝した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で夏の甲子園大会が中止になり、新潟県独自の大会として開催された。甲子園の土は踏めないが、中越ナインは代表にふさわしいチームであることを実証して、大会を締めくくった。

 

マウンド上に集まり優勝を喜ぶ中越ナイン


 
 伝統のグレーのユニホームがマウンド上に集まった。笑顔の中越ナインは一様に人さし指を立て、「ナンバーワン」を誇示した。
 昨夏の甲子園出場校で実力ナンバーワンと目されていた日本文理高に逆転勝ちした。0-3の4回裏、4安打で同点にすると、2死満塁から2番酒井龍聖(3年)の走者一掃の三塁打で勝ち越し。エース佐藤旦有夢(3年)は5回以降立ち直り、11奪三振をマークした。
 
 廣瀬航大主将(3年)は「3年生18人を中心にチーム一丸となって戦えた」と話した。この試合で中越高が放った19安打のうち、長打は酒井の三塁打1本だけ。単打をしぶとくつなぐ意識が浸透していた。
 
 新型コロナウイルスの影響で、大会自体の開催が危ぶまれた時期もあった。トーナメントで王者を決める独自大会が行われることになり、全国制覇を目指していたチームの目標は「夏の県王者」に切り替わった。「この大会に携わってくださったみなさんに感謝します」。力を出し切る場が与えられたことに、廣瀬はありがたさを感じていた。
 
 中越高の本田仁哉監督は言った。「私たちがここにいられるのは、県内各校の3年生の思いがあったから」。甲子園がなくても、野球に打ち込む気持ちに変わりはない。特別な夏はそれを形にして終わった。

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