第5回女子硬式野球新潟大会 福井工大福井高校が初優勝

野球 2022/04/28
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text : matsushima satoshi
松島 聰

2022年4月23日、24日、第5回女子硬式野球新潟大会がHARD OFF ECOスタジアム新潟、白根野球場で行われた。

 

今回、大会に参加したチームは札幌新陽高校(北海道)、横浜隼人高校(神奈川)、花巻東高校(岩手)、福井工業大学附属福井高校(福井、以下福井工大福井高校)、福島レッドホープスレディース(福島)、作新学院高校(栃木)、至学館大学(愛知)、平成国際大学(埼玉)、花咲徳栄高校(埼玉)、侍(埼玉)、開志学園高校(新潟)の11チーム。松本国際高校(長野)は大会直前にコロナ陽性者が出たため棄権した。

 

この大会は高校、大学、社会人といった垣根がなく、高校選抜で優勝した福井工大福井高校をはじめとした高校生チームが7、大学生チーム2、社会人チーム2という多彩な顔ぶれで熱戦が繰り広げられた。

 

決勝は、横浜隼人高校を準決勝で降した福井工大福井高校と1回戦で前回優勝校の開志学園高校を破り、準決勝で平成国際大学をサヨナラ勝ちで破って勢いに乗る侍の対決となった。

福井工大福井高校と侍は第2回大会でも優勝を争っていて、この時は侍が福井工大福井高校を降している。

 

雲空ではあるが、時折初夏を思わせる強い陽差しが降り注ぐHARD OFF ECOスタジアム新潟。侍の先発は左腕鈴木。福井工大福井高校はエース吉森がマウンドに上がった。

 

女子野球は、1872(明治5)年の野球伝来以来、男子が営々と築いてきた野球とは別物のように見える。男子は今でもどこか伝統という重しを背負っているが、女子は技術やノウハウは吸収しながら、背負っているものはなく、自由に野球という競技を楽しんでいるという雰囲気がある。

 

福井工大福井高校は2回、7番DH鷲見のタイムリーで先制。3回には4番山田の3塁打などで一気に3点を奪い4-0とリードを広げた。侍は3回、2点を返し、なおも一死満塁と攻めたが、あと1本が出ず、追加点を奪えなかった。それでも最終回、4番サード蛭田のタイムリーで1点差に迫り、逆転サヨナラのチャンスを作ったが、福井工大福井の吉森が後続を断ち、この大会の初優勝を決めた。

 

優秀選手には準決勝で完投勝利を挙げた侍の亀谷なる実、最優秀選手には試合を決める3ベースヒットを放った福井工大福井高校の山田恵が選ばれた。

 

MVPを受賞した福井工業大学附属福井高校の山田恵

優秀選手賞を受賞した侍の亀谷なる実

 

 

女子硬式野球新潟大会は今回が5回目。

高校、大学、社会人の垣根がないユニークな大会に全国大会優勝チームをはじめ、多くのチームが参加し、定着しつつある。

 

この大会を主催した新潟県女子野球連盟の頓所会長は、「新潟でも野球をする女子は確実に増えている。高校、大学、社会人のジャンルにこだわらず、新潟で女子硬式野球の大会を行うことで、女子にも硬式野球ではばたくチャンスがあることをたくさんの人に知ってもらいたい」と話す。

 

これまで女子は野球ではなく、ソフトボールと言われ続けてきた。本当は野球がやりたかったが、野球を断念してソフトボールに進む選手は少なくなく、頓所会長もその一人だった。しかし、ここ数年で女子野球をめぐる環境は大きく変わっている。

 

平成9(1997)年に行われた第1回全国高校女子硬式野球選手権大会の参加校はわずか5校だったが、昨夏行われた大会には40チームが参加した。そして女子野球では初めて、高校野球の聖地・阪神甲子園球場で決勝戦が行われている。

 

昨年12月にはイチロー(シアトルマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が率いる「KOBE CHIBEN」と高校女子硬式野球選抜チームのエキシビジョンマッチが行われている。

イチローは本気の投球で女子選抜を散発4安打17三振で完封したが、女子選抜は日米通算4,367安打のイチローを3打数ノーヒットに封じ、女子の実力を示した。

 

今春の全国高校女子硬式野球選抜大会の参加チームは38校。新潟大会で優勝した福井工大福井高校が決勝で神戸弘陵高校と戦った舞台は東京ドームだった。

 

昨春、全国選抜大会を優勝した新潟市の開志学園高校女子硬式野球部には全国から野球がやりたい女子が集まってきていて、部員は40人を超えている。全国的にも女子硬式野球部を創設する動きが活発化している。

 

埼玉西武ライオンズ、阪神タイガース、読売ジャイアンツが女子硬式野球チームを創設し、他のNPB球団にも創設の動きがあり、女子野球は大きく広がろうとしている。

 

「新潟にはまだ女子硬式野球チームが開志学園高校しかない。高校チームがいくつかできて、大学生のチーム、社会人のチームも出来てくるように新潟の女子野球を盛り上げていきたい」(頓所会長)

 

決勝を戦った福井工大福井高校、侍両チームが表彰式の後、記念写真に収まった。はち切れんばかりの笑顔。これが女子野球の魅力なのかもしれない。活躍の舞台はどんどん広がっていくだろう。

 

最後は両チーム揃って記念写真に収まった。みんな笑顔だ。

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