新潟工ラグビー、17年大会連続花園へ      伝統の力を引き出したキャプテンの統率力

ラグビー 2020/11/04
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text : saito shinichiro
斎藤慎一郎

 全国高校ラグビー新潟県大会決勝(3日、デンカビッグスワンスタジアム)で新潟工業高校が17大会連続45度目の優勝。全国大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)出場を決めた。開志国際高校との決勝は22―14。接戦を制した土台には昨年からゲームキャプテンを務めるNO8稲村心主将(3年)の統率力があった。
 

新潟工をけん引するキャプテン稲村(中央)

 

 「うまくいかない場面もあったけど、結果的に汗をかいて攻めることができた」。稲村はほっとしたように、激闘の決勝を振り返った。前半は7点先制され、ようやく追いついて7―7で折り返した。後半序盤に1トライでリードを奪ったが、すぐに逆転されて12―14。そこから1トライ1ゴール、1ペナルティーゴールを奪うシーソーゲームだった。
 
 17大会連続優勝は1967年から始まった同校の16大会連続を更新する県大会連覇の新記録。そんな『絶対王者』からすれば今回は薄氷の勝利だった。稲村も「自分たちのやろうとしていることができなかった」と苦戦を実感した。ただ、その中でチームを混乱させなかった。「前半は少し焦りがあった」。するとハーフタイムでは「ボールを下げずに前に出ることと、体を当てていくこと」と全員に確認を促した。後半の2トライはFWが軸になったもの。伝統の形を意識させ、結果につなげた。
 
 1年生からレギュラーだった。昨年は3年生の主将がケガをしていたため、2年生ながらゲームキャプテンを務めた。練習も先頭に立って仕切った。今季は誰しもが認めるリーダー。がむしゃらだった1年目、プレッシャーを感じながらも積極的にチームをまとめようとした2年目。最高学年になった今年は「今までよりもまとめるのが難しいです」と苦笑いする。
 
 花園でベスト8進出がチームの悲願。その重さを肌で感じながら学年を重ねてきた。全員に意識付けさせるためにはプレーで示すだけでなく、的確な言葉が必要になる。「体を当てる、前に出る」はFW主体で攻める新潟工の必須アイテム。「自分たちのプランから外れたことをやっていた。そこはしっかり理解しないと」。決勝では、当然すぎて、ともすれば見失いがちな要素をシンプルな言葉で確実にメンバーに伝えた。
 
 場数を踏んでいるからわかることを、周囲にも感じてもらうという難問の攻略の一端を、決勝では見せた。「全国大会でも体を当てて、いいテンポでボールを動かす。やってきたことの精度を高めたい」。稲村は花園に向けた練習でさらに突き詰めるため、あらためて先頭に立つ。

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