新潟県野球協議会は8月19日、新潟市役所を訪れ、日本プロ野球機構(NPB)に属するプロ球団誘致と、それに伴うドーム球場建設への協力を求める要望書を、中原八一市長(61)に手渡した。
冒頭、新潟県野球協議会の高橋勇四郎理事長(78)が要望書を読み上げた。「ホームタウン候補地に新潟市が挙がっている好機を逸すことのないよう、新潟市には、より活発に取り組んでいただくことを要望します」。今年に入ってソフトバンクの王貞治会長(80)、元ヤクルト監督の古田敦也氏(55)が、NPB12球団を16球団に増やす方向の支持を表明。一部報道で古田氏が新球団の候補地として新潟市、静岡市、松山市、沖縄県を挙げたことを念頭に置いている。
これまでも同協議会を中心に「パーク・ボールゲーム・パークプロジェクト」、「新潟グローバルドーム計画」といった、新ドーム球場建設の要望書を行政へ提出してきた。器(球場)を作り、そこにNPB球団を誘致する流れだった。今回、同協議会の中野久事務局長(75)は「まず球団誘致を進める」。球団がある実態を土台に、ドーム球場の必要性を広めていく方向だ。
ドーム球場は野球だけではなく、ほかのボールゲームやコンサートなどに活用できる総合型を目指す。公共施設統合で空いた市有地に、民間で建設する案を明かした。「興味を示している企業はある」と中野事務局長。新型コロナウイルスの影響などで自治体の財政面は厳しい。行政にすべての財政負担を求めるのではなく、民間と協力して進めるプランを立てている。
「新潟市、新潟県には誘致の先頭に立ってほしい」(中野事務局長)というのが要望の軸。8月31日には花角英世新潟県知事(62)のもとにも足を運ぶ予定でいる。中野事務局長は「今後は関係団体と情報交換をしていきたい」と話した。